「生きていたい!」チェルノブイリの子どもたちの叫び
編著/チェルノブイリ子ども基金 発行/小学館


 前号のニュースでもお知らせ致しましたとおり、まもなく3月上旬にチェルノブイリの子どもたちの絵と詩の作品集「生きていたい!チェルノブイリの子どもたちの叫び」が小学館より発売されます。

 絵は、昨年各地で開催し、多くの方々から高い評価をいただいた「チェルノブイリの子どもたちの絵画展」の展示作品の中から、とくに印象深いもの、ウクライナとベラルーシあわせて70点あまりを選び、すべてカラーで収められています。詩はこの本のテーマにふさわしい作品を現地の団体に依頼して寄せていただいたものを中心に選び、収録しました。

 すでに「絵画展」を直接ご覧いただいた方はお分かりのことかと思いますが、どの作品も甲乙つけがたい力作ぞろいでしたので、作品の選考には大変苦労しました。その中から、チェルノブイリの事故を知らない日本の子どもたちにも事故のことがわかるような作品をということで選び出し、また、文章の部分も難しい字にはすべてふりがなをつけました。この本を目にした子どもたちが、しっかりと事故の記憶を胸に刻んでくれるようにという願いを込めています。

 収録した作品の中には、4月に「チェルボナ・カリーナ」の一員として来日予定のイーゴリ・サパンコ君の絵や、昨年春に来日したインナ・ポリシチュクさん、ナジェジダ・ガエヴァさんの作品、前号で皆さんへのメッセージを紹介したオルガ・ソコロフスカヤさんの作品、あるいは絵葉書でおなじみの作品も含められています。どの絵や詩にも、なかなか表面だけではとらえきれない、事故による重い病気や移住の経験によって子どもたちが受けた心の傷や痛み、悲しみや絶望の気持ち、あるいは現実の体の痛みが作品一杯に表現されていて、見る者の心に直接訴えかけてきます。

 しかし、その端々からは、それでもなお、希望を持ち続けていたい、信じていたい、「生きていたい!」という子どもたちの意思が、きっと感じられる作品ばかりです。お子さまや、字ばかりの本は苦手という方でもチェルノブイリの子どもたちの“思い”を感じることのできる1冊に仕上がりましたので、どうかできるだけ多くの方々に手にとってご覧いただきたいと思います。

 なお、この本の印税はすべて、「チェルノブイリ子ども基金」への寄付金となり、子どもたちの治療や保養活動に使わせていただきます。

 全72ページ。定価1冊1680円です。事務局では1割引にて販売致しますが、送料がかかりますので、お急ぎの方、多部数のご注文の方、書店まで遠い方以外は、お近くの書店での購入・注文をお願い致します。

*この本に収録された作品の一部は、引き続き絵画展用に貸出しております。「写真展事務局」までお問い合わせ下さい。


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