元気フェスタ実施報告

日本から参加されたボランティアの方々の報告


日本画教室・海野知江さん (水彩画家)

 白樺と赤松の林に囲まれた、30年前の北軽井沢に似た“希望21“の花咲き乱れる芝生の中の道を校舎から校舎へと駆けまわった日がもう夢のようです。“墨絵“など理解してもらえるかなと思ったのに大勢の子どもたちが興味をもってくれて、言葉はわからないなりに交流も深まり、別れ難いものになりました。何の因果もないのに原子炉爆発の被害の後遺症である甲状腺障害という人類の負の遺産を背負いこんだ子どもたちの首のあたりの傷あとは見るにたえません。何か所も切ったあげく声の出ない子、辛そうに頭をかかえて歩きまわる子、いつも明るいだけに胸をつかれます。仕事は71歳の私にとって楽ではありませんでしたが、時間外にも逢いに来る子どもに励まされ、しかも、私の誕生日に大勢の子どもたちの唄と踊りと沢山のプレゼント、励ましの手紙、そして、恒例の花飾りなどで反対に暖いお祝いをされて大感激、一生に一度の輝く思い出になりました。本当に連れて行っていただいた事を感謝しております。FAXだの携帯電話だのどんどん便利になる世の中でいつか誰かが犠牲になる。日本だって原子炉が爆発して自分たち自身で被害にあう日がないと誰が保証できるでしょうか。私は子どもたちから普段気づかないいろいろな事を学びました。人生が終る頃になって始めて経験したボランティア活動に、大変な意義を感じています。


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