里子制度について


 里親は、毎月『50$』を最低2年間、里子に支援します。

 里子は、甲状腺の手術を受けた16歳以下の子どもです。特に困窮し、支援が必要とされる子が、各地の救援団体から、要請されます。

 里子リストは次々と寄せられています。片親の家庭の子。兄弟が4人も6人もいる家庭の子。両親もチェルノブイリによる障害者となり働けない家庭の子。そういった子を、緊急度の高い子どもから里子に決定しています。生活していくのにも困難を要する家庭にあり、なおかつ甲状腺ガンという病気を背負い、高価な医薬品代や、病院へ通う交通費や宿泊費。なにを切り詰めたらいいのかわからない、という母親の声。あらたに送られてきたリストに、同じ家庭のふたりともが甲状腺ガンにかかってしまった姉妹があげられていました。救援団体の代表は言います。「ひとりでも、甲状腺ガンという病気の子を持った親の嘆きは深いものです。しかし、少ない例ではありますが、姉妹ふたりともが病気にかかってしまうことも、現実に本当にあるのです。このような母親の悲しみは、想像もつかないでしょう」

 現状は里子の申出に対して、どうしても里親の申出が追いつかない状態になっています。この里親支援に興味がある方は、ぜひ事務局にご一報ください。検討していただく資料をお送りします。

里親制度について

 支援金は半年分ずつまとめて、現地の救援団体へ送金します。広河隆一が現地に取材に入るときなどには、現金を手渡しします。そのときのドルレートを日本円に換算した金額を、事務局より里親の方にお知らせし、毎月または一括で、支援金を振込んでいただいています。例えば、ベラルーシのゴメリ州近辺の子どもの里親になって、98年11月より支援を開始した方の支援金は、半年分で37520円。ひと月で約6300円程度を支援していただいています。この金額は、振込む時期のレートなどによって多少変わります。

里子とのやりとり

 里親制度にお申込みいただき、里子が決まると、まず簡単な自己紹介のアンケートに答えていただきます。これを事務局でロシア語に翻訳して里子に送ります。写真をいただけましたら、それも送ります。里子との文通などは、それぞれ自由にやっていただくことになります。子どもの母語はロシア語かウクライナ語です。手紙は最低限、英語で書くことが必要です。文通はしませんという里親の方もいらっしゃいます。現地の郵便事情が悪く、出した手紙の半分くらいが届いていないようだ、という声もあります。こういった点に事務局側がお手伝いする余力はなかなかありません。現地の事情により、里子の写真も要望しません。手紙に写真を入れて送ってくれる子もありますが、写真を撮ることが難しい状況にある子もありますし、現地の救援団体は、全くのボランティアで作業していますので、手間をかけないことも継続のうえでも重要です。救援団体に必要な通信費や送金経費などは、実費を子ども基金の一般会計より支援しています。

 里親制度を活動の主軸にしている他NGOなどと比べて、里子との橋渡しを事務局側がずっと補って行くような方式をとっていませんので、交流などを目的とされる方には、ご不満かもしれません。現在のところ、わたしたちの里親制度は、今支援が必要な子どもたちへ支援金を確実に届ける、そのための制度なのです。どうぞその点をご了承のうえ、たくさんの方のご参加をお待ちしております。


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