<子どもの家>完成


 私たち基金が支援しているウクライナのサナトリウム<南(ユージャンカ)>に教育・スポーツ・芸術活動のための「子どもの家」が完成しました(半額は外務省支援委員会の援助)。保養期間中、コンピュータ・音楽・絵画教室を実施し、子どもたちの心のリハビリに大きく役立ちます。
 前号にて壁面を飾るキルトを募集したところ、おかげさまでほぼ100枚のキルトが集まりました。現在作成中です。完成した「フレンドシップ・キルト」については次号にて報告します。また、作品のご提供のお申し出もいただきました。ご協力ありがとうございました。


 サナトリウム「南(ユージャンカ)」を運営している「チェルノブイリ家族の救援」はキエフに本部を持つ救援団体で、会員は約5000家族、25000人。その中心はチェルノブイリ原発近くのプリピャチ市からの避難民です。1991年に設立。この団体はサナトリウム「南」の他、無料診療所、避難民の子どもたちを中心とした音楽団「チェルボナ・カリーナ」を運営しています。
「南」はウクライナの南、黒海に面するサナトリウム。オデッサから車で2時間、ニコライエフから1時間の距離にあります。収容人数は60人で、2週間ごとに交代して滞在。現在その収容人数を倍の120人にするため新宿泊棟の建設を行なっています。昨年度は下水道施設、トイレ施設を設置しています(一部外務省助成金の援助)。
 開講予定のコンピュータ教室・音楽教室・絵画教室・スポーツ教室のための設備・備品なども現地救援団体の代表バツーラ氏、現地の専門家を交えて検討しました。既に購入した電子ピアノ(ヤマハ・クラビノーバ)は、97年より毎年8月に当基金の実施している、甲状腺手術後の子どもたちのための「特別保養」での日本人ボランティアによる音楽教室でも活用され、多くの子どもたちが利用しました。また、保養期間外はキエフにて、避難民の子どもたちの音楽団「チェルボナ・カリーナ」のためにも利用されています。
 今年の夏も昨年に引き続き、日本人ボランティアによる「日本週間」を実施し、日本文化交流の教室を開催します。
「家族の救援」で甲状腺手術後の子どもたちのケアを専門に担当している職員によると、「南」での保養を希望する子どもたちの数は600人以上だといいます。「家族の救援」では「南」での滞在可能な人数をいかに増やしていくかが今後の課題の一つです。今回のプロジェクトにより、「南」はより魅力あるサナトリウムへの大きく前進したと確信しています。

 みなさまのご支援で、より充実したサナトリウムになります。今後も子どもたちの保養が継続できますことを、心よりお礼申し上げます。


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