甲状腺手術を受けた子どもたちの報告会〜京都の報告


今年8月、甲状腺手術を受けたウクライナとベラルーシの子どもたち6人が、[子ども未来会議]に参加し、会議終了後チェルノブイリの現状と救援を訴えました。前号で紹介できなかった京都での会を主催者の平野慶次さんからの報告の一部をご紹介します。当日は、子どもたちと小学生を含めた参加者70名の、とても賑やかな会になりました。シンガーソングライターの古川豪さんは、大好きな海への思いを込めて若狭湾原発に反対するメッセージソングを歌い、子どもたちはそれに歌でこたえました。急な企画に快くご協力してくださった平野さんと、ご協力してくださったみなさまにあらためてお礼申し上げます。


「交流会を主催して」

 子どもたちの話は現在進行形の話であり、強烈なインパクトがあった。しかし、知れば知るほどチェルノブイリの事故はひどいもので、今尚、人類が抱えるべき最も大きな問題なのではないかとさえ思うようになった。
 原発は嫌いだし、もんじゅのことについても幾つかの反対運動に参加もしてきたが、その危険性に対する認識はとても今回感じたようなリアリティーをもっていなかったように思う。勿論これは、わたしの個人的な問題ではあるが、或いは同じようにリアリティーをもてない人もありはしないかと思う。これからのことについては、防ぐように働きかける必要がある。哀しいことにチェルノブイリの子どもらに起こった現実には、どう対処するのかを問わなければならないのである。
 CAPという子どもの人権擁護プログラムを推進する運動体がある。人権とは、「自由」「安心」「自信」の三つが保証されることと言う。なるほどと思う。わたしは、もうひとつ「希望」を加えてはどうかと思う。今、チェルノブイリの子どもらに必要なものは、正に「生きる希望」だと思う。彼らが自身の病気と対峙し、生きる気力を持ち続けるために、何らかの希望の灯火を誰かが点灯し続けること、これが今のわたしに言える結論である。
 今回、とても大切なテーマと改めて向き合うことができたことは、とにかく大きな収穫だった。摂理的巡り合わせと思いたくなる。

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