「松濤アクターズギムナジウム」 第8期声優部日曜特別クラス修了公演

『生きていたい!』を観賞して


 3月15・16日に行われた「松濤アクターズギムナジウム」第8期声優部日曜特別クラスの修了公演を観賞させていただきました。

『生きていたい!』という絵本をどのように扱うのだろうかという関心から足を運んでみましたが、そこで観たものは自分の考えていた朗読の形式ではなく、まさに叩き付けたいほどの多くの思いを記し、それを訴えかけようとする、それぞれの子どもたちを演じていた彼ら彼女らによるチェルノブイリ事故の苦しみや悲しさでした。

 初期クラスということで拙いところなどもあったのでしょうが、私にはチェルノブイリを訴えかける朗読劇は、新鮮に感じられ、感動しました。もしこの作品を多くの場で演じ続けてくれるならば、今まで「チェルノブイリ」の被災者に思いをとめることのなかった人たちにも関心を向けさせる力になるだろし、また多くの人の感動を呼ぶことができるのではないかと考えました。

 公演中、場内では多くの人の啜り泣きがあちらこちらから聞かれました。それは私が感じたような、思いがけず出会うことのできた感動と共感のためだったのだろうと思います。誰もが抱くはずの「生きていたい!」という思いが、「チェルノブイリの子どもたち」にとって儚いものであることへの切なさであったのだと感じられました。

(事務局 朝生一也)

 

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