ミンスク便り


 こちらベラルーシでは10月の最終日曜日に夏時間(サマータイム)が終了し、いよいよ冬が近づいてきた感じです。日本との時差は夏の6時間から冬は7時間に変わります。11月は雪の降る日や日中も気温が氷点下に冷え込む日もあれば、プラス10℃近くにまで「暖かく」なる日もあり、まだ本格的な冬とは言えないのですが、衣服について言えば日本で着る真冬のものが丁度いいぐらいです。気温が上下するため体調を崩す人も多く、私の周囲にも風邪ひきが多いです。

 11月はベラルーシ語で「リスタパッド(落葉期)」と言いますが、木々の葉は10月上旬にはすっかり落ちて雪はないものの冬の景色になっています。日本よりはずっと地味ですが、お正月の飾り(キリスト教のクリスマスと同じようにツリーなどを飾ります)もショーウィンドーに見られる季節になりました。外気温に応じて通常10月中旬には建物の集中暖房が入ります。暖房が入っていれば特に住居の中は日本より暖かく、快適と言えます。但しこちらの建物はつくりが粗雑で、窓は二重になっていても隙間風が入るため、紙で目貼りをするなどの必要があります。逆にレンガ造りで暖房の利きがいい家では、外が氷点下でも窓を開けるほどです。

 都市では一般的に、地区ごとの熱電供給ステーションがあり、そこから供給されるお湯が管を通って暖房される仕組みになっています。このため、個々の部屋や住居で暖房を調節することは出来ません。暖房の入っていない時期にも寒いことがあるので、そのような時には電気のヒーターなどを使用します。ソ連時代はエネルギー資源も安く、その名残りで今でもガス、水道、暖房は居住人数に応じた定額を支払う制度が続いています。

 現在ベラルーシは石油・天然ガスをロシアからの輸入に依存しており、通常の輸出価格より割安に供給を受けていますが、それでも代金支払いが滞りがちでロシアから再三の警告を受けています。「支払わなければ料金を引き上げる」というものですが、結局政治的な交渉で解決(妥協)に至るということを繰り返しています。現在ではメーターを設置して使用量に応じたガス・水道料金を支払うという選択肢も有り、使用量が少ない場合はその方が割安となります。けれども子どもがいるなど使用が少なくない場合、通常の定額制の方が安く、結局節約意識ははたらきません。窓も目貼りはしてあってもカーテンはごく薄いものだけだったり、まだまだ無駄が多いと感じます。

 無駄が多いのは他にもいろいろな面で目につきますが、人々の生活水準が依然として低く、社会的弱者を保護するためにはこうした社会主義時代の制度を継承するのもある程度は仕方ないのでしょう。それでもソ連時代とは異なり、経済的な裏付けもないのに国が全て丸抱えしているわけにもいかず、少しずつ社会保障支出も削られてきています。放射能汚染地の住民、年金生活者、障害者、孤児など、国からの保護を必要としている人々が切り捨てられることがないよう、この国の指導者には何よりも期待したいところです。

(ミンスク 花田朋子)

新しく「ミンスク便り」が始まりました。花田朋子さんは長年、ロシア語ボランティアとして子ども基金を支えてくださっています。現在、日本大使館に勤務し、ベラルーシ人のお連れあいとお子さんの3人でミンスクに住んでいます。

 


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