第10回“甲状腺手術後の若者ための特別保養


☆ ウクライナ「ユージャンカ(南)」 ☆

実施期間:
2005年8月1日〜8月14日
参加者:
日本センタースタッフのサスノフスカヤさんが選んだ16歳〜20歳までの若者50人、引率者6人(医師1人、レクリェーション指導者)、合計56人
南での夏の保養はほかに5グループ。保養費すべて、子ども基金が支援しています。
(1)6/16〜6/29「チェルノブイリの子どもたちの生存」子ども50人、付添5人、医師1人、合計56人
(2)7/1〜7/14 ナロヂチ地区の子どもたち 子ども30人、付添2人、合計32人
(3)7/1〜7/14 「にがよもぎの花」 子ども20人、付添3人、医師1人、合計24人
(4)7/16〜7/29 放射線医療センターが選んだ子ども50人、付添5人、医師56人 
(5)8/16〜8/29 チェルノブイリ家族の救援・医療センター長が選んだ子ども50人、付添5人、医師1人、合計56人

海が最大の魅力

「南」での保養に、子どもたちが最も期待し喜んでいるのが「海」です。
砂浜はきれいでした。さらさらとした砂地で海で泳いだり、ビーチパラソルの下で寝そべったり、日中の日差しの強い時間を避けて、思い思いに海と触れ合っています。
私が南を訪問したのは今回初めてです。写真でみた広河民さんの宿泊棟の壁画を生で見て感激。5年が経過して写真よりやや色あせていましたが、初めてここを訪れた人は躍動感あふれる大きな絵画に魅せられることでしょう。

私と佐々木さんは、3日間ここに滞在し、のり巻き作り、日本語、日本の歌、などを教えました。
のり巻き作りには、日本から巻きす、米、かんぴょう、でんぶ、などを持参し、人参、キュウリ、カニ棒などを現地市場で調達。
希望21もそうでしたが南も台所の煮炊きは電気が主流です。個人的には電気を使うことに反対ですが、設備面でやむを得ないのかも知れません。ご飯を炊くのに大きな鍋を借りて炊いたのですが、慣れない電気でちょっと失敗し、のり巻きには水っぽ過ぎるごはんが炊き上がりました。しかし、何とかのりの上にご飯をおき、具を並べると格好はつきました。子どもたち、職員の人たち、みなさんおいしいと好評でした。

日本の歌は佐々木さんが森山直太郎の『さくら』をテープにとってきて、それで練習しました。子どもたちに聞かせたところ、すぐに気に入ったようでした。ロシア語で歌えるように佐々木さんの指導のもとみんな一生懸命に書き写していました。
私自身、聞いたことはありましたが、歌うのは初めてで子どもたちと一緒に真剣に習いました。後で日本語の歌詞の意味を知ってなお、気に入ったようでした。

特別保養が終了する前日、野外の特設ステージでイベントがありました。保養中、決められたプログラムをやり通した子どもたちに賞状と記念品が渡されました。チェルボナ・カリーナのOGによる歌と踊りも披露されました。日本の歌を習った子どもたちと一緒に、さくらを歌いました。

 〜僕らはきっと待ってる 君と また会える日々を〜
 〜どんなに苦しい時も君は笑っているから〜

どのフレーズも目の前の子どもたち、若者たちと重なって、胸が詰まりました。


マスカレード(仮装舞踏会)

6月から8月にかけての保養期間中、ミス&ミスターユージャンカコンテスト、仮装大会などさまざまなイベントがあります。
子ども基金が支援している子どもだけでなく、一緒に居合わせた全員が参加できます。

これらのイベントには、今年子ども基金が寄付をしたカラオケセットが大活躍をしていました。機器の操作や企画なども若者たちが自主的に行なっていました。

(報告 向井雪子)

参加者からの手紙

私はユージャンカが大好きです。今年は子ども基金からユージャンカで休むチャンスを得てとてもうれしいです。私は海も空も好きです。ここで多くの新しい友達に会いました。それに日本の方に日本料理を作っていただきありがとうございます。折紙もできてよかったです。皆様が私の問題を分かってくれて心から感謝をいたします。どうもありがとう。 ガリーナ

チェルノブイリ基金の皆様にこんな素晴らしいところで休むチャンスをいただき心から感謝をいたします。私は多くの新しい友達に会ってとてもうれしいです。日本の皆様に折紙の教室、日本語の教室、日本料理、着物の着方を教えていただきありがとうございます。私は特にボドレイというプール、動物園へ行くことが好きです。それに付添の人にも感謝をいたします。 オレクサンドル

日本のチェルノブイリ子ども基金のおかげでユージャンカに来るチャンスを得てうれしいです。私はユージャンカが大好きです。ここは新しい友達に会えてとてもうれしいです。子ども基金のようなすばらしい団体があるのは良いと思います。皆様に感謝をいたします。 エカテリナ

日本チェルノブイリ子ども基金に心から感謝をいたしたいと思います。ユージャンカに来るチャンスを得てしあわせです。私と同じ健康問題がある子どもに会ってうれしかったです。ユージャンカの海と空気が大好きです。ありがとうございます。 コリャ



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