農と言える日本・通信 No.30  2000-06-19      高野 孟



■イベント案内(※印は高野補注)

●喜納昌吉さんが「もう1つのサミット」=ニライカナ イ祭りを開催!

 沖縄発のワールド・ミュージシャン=喜納昌吉さんが、7月21日から沖縄を主 舞台に開かれる主要国首脳会議(サミット)に向けて、音楽や民族芸能の交流を通 し、市民レベルで平和のメッセージを発信する祭典「ニライカナイ祭り」を沖縄と東 京で開きます。「ロックや民謡、伝統芸能など世界各地から集う芸能パワーの融合 で、平和な未来を訴えたい」と“もう一つのサミット”に意気込んでいます。詳しく は喜納昌吉公式サイトへ(http://www.ryukyu.ne.jp/~champloo)。

★☆ ニライカナイ祭りパーティー 6月22日(木)19:00〜22:00  
会費・一般3000円 学生1500円(フリードリンク、フリーフード)
喜納昌吉&チャンプルーズミニライブ 他 県内インディーズバンドも出演
※高野は今日からサミット&米軍基地取材で1週間沖縄滞在ですので、これに参 加してきます!皆さんは7月20日の日比谷野音にどうぞ!

★☆ニライカナイ祭り・名護 7月17日(月)〜23日(日) 名護市海岸特設会場
サミットと同じ名護市内の海岸に作られる予定の特設ステージで連日、喜納が率 いる「チャンプルーズ」のほかハイスタンダードなどのロックライブに加え、日本本 土や沖縄、アイヌ、在日韓
国朝鮮、アメリカ先住民らが集まって“伝統芸能大会”も開催される。
 
★☆ニライカナイ祭り・東京 7月20日 日比谷野外音 楽堂 17:00〜
入場料・前売4000円・当日4500円 チケットぴあにて好評発売中。
 

●加藤登紀子さんが最後の「真夏の夜のコンサート」!

 加藤登紀子さんが1974年以来欠かさず続けてきた「真夏の夜のコンサート」 が、20世紀最後の夏、最終回を迎えます。今回のゲストは世界的なパーカッショニス ト=YAS-KAZ(やすかず)。またこれに合わせて、「さよなら私の愛した20世紀た ち」10枚シリーズの最後を飾るVol.10「TOKIKO SKY 蒼空」も発売となります。詳しくは加藤登紀子公式サイトへ(http://www.tokiko.com/)。

☆★真夏の夜のコンサート 8月5日(土) 日比谷野 外音楽堂 18:00〜
全席指定・6000円、雨天決行

月5〜7日は鴨川の 定例集合日&村祭りなんですねえ。どうしましょう、藤本国王? 最後の野音コンサ ートとなると行きたいじゃないですか。国王も行かないとマズイんじゃないの。5日 に希望者はコンサートに行くようにして、鴨川は6日(日)の(昼ではなくて)朝 10:00集合で午前・午後に作業、夕方早めに宴会、泊まれる人は泊まって翌7日 (月)お祭りの御神輿担ぎに挑戦──という日程にしましょうか。ご決断を!

●十勝近況!

◆平林英明さんよりメッセージ

 十勝自然王国は今 若芽もところどころに見られ、真夏の少し前といったところです。畑を見ますと 一 番大きいのは秋蒔きの小麦、それに続いてビート、じゃがいも、とうきび。豆はまだ まだ幼い葉を黒い土から顔をだしています。

 今年の十勝王国の話題は一に「どんぐり論争」でした。もう鴨川の皆さんはご 存知のとおりです。考えた末に、私達は今後もどんぐりビールを造りつづけ、その益 金を紋別の漁業者とモンゴルに贈ることにしました。とりあえず一件落着というとこ ろです。

 続く話題は、高野さんの馬(ドリームラージ)に子馬ができたことです。これ がなかなかの大物で、子馬は扱いも調教も難しいものなのに、なんと生まれて間もな いというのに、もう手のひらから餌を食べたり、ブラッシングをしてやってもいやが りません。これは良い馬になりそうです。「嵐」と名づけました。鴨川の皆さんが帯 広に来る時は、かわいい姿でお出迎えすることでしょう。

◆吉田政勝さんより近況報告

 6月11日に篠塚&植田さんが帯広を楽しまれて帰られました。植田さんは、乗 馬ヒーリングをやることになって40年続いたロイヤル乗馬倶楽部を閉じるという岐路 にある感傷をも抱く身で、それゆえに帯広十勝訪問は印象的だったようです。これか らのプランがうまくゆくように祈り、また手をかすことがあれば協力したいと思いま す。私は個人的にはプラティカルな計算高い人より、彼等のようにサラリとしたタイ プが好きです。

 植田さんはメールでも「帯広は最高」と表明されています。たぶん「モモの仲 間」となるでしょう。(笑)私は10日の夜の「アドバンド」のアサやんライブで食事 をつきあい、翌日のドングリ苗で軍手をはいたあとで、空港まで見送りました。

 8月末の夏のキャンプは、ゆっくりくつろげると期待してます。できれば、そ の期間中に「日甜文化村会議」を予定に入れて、信州大学の山本先生や、二木さん、 六花亭の小田社長が参加すれば最高ですね。その線でマスターとプランを練っていき ます。乗馬キャンプは「森林警備隊」をコンセプトにやや近くでやりたいとも言って いました。

※篠塚恭一さんはご存じ鴨川・帯広常連で、本業は障害者・高齢者のためのツァ ーを企画する「コムスン・トラベル」の代表。植田さんは、私はまだお目にかかって いませんが、大阪でロイヤル乗馬倶楽部を40年続けてきたのを閉じて「乗馬ヒーリン グ」に取り組もうとしていて、今回、篠塚さんとの提携で大阪から障害者を含む12人 の帯広乗馬ヒーリングツァーをやろうということで、下見と打合でこのほど平林国王 を訪れました。次にその篠塚さんからのお便りを載せます。

 それから、吉田さんの中にある「日甜文化村会議」とは、北海道の名門企業 「日本甜菜」の帯広市内にある旧本社&工場の広大な敷地がほとんど活用されないま まになっているのを、帯広の新しい文化拠点として活用する方法を考えようというこ とで、平林さん、吉田さん、10年前に十勝に会社ごと移り住んだランドスケープ設計 家の高野文彰さん、六花亭の小田社長、それに私などが加わって日甜の幹部の皆さん と時折集まって相談しているプロジェクトです。皆さんも是非一度帯広を訪れて、現 地を見て(見たらその立地にビックリし、こんなところを面白く活用するコンセプト 作りに参加できるなんて!と感動します)いろいろアイディアを出してください。

◆篠塚恭一さんより帯広ツァー計画について

 昨晩、帯広から無事戻りました。リバティーファームが村の公園管理事務所か と思う程こざっぱりと整備され、びっくりしました。

 乗馬ヒーリングは平林さんの御紹介で、ポニーファーム(空港近く)がベース になりそうです。理由は、馬がよく訓練されていることと、規模、設備がととのって いること、また来年9月に
障害者乗馬大会がおこなわれるなど、条件がもっともよいとのことです(植田さ ん弁)。平林さんは植田さんを称し、なんかカリスマチックで苦手だな〜とか云って ましたが、馬談義ではやっぱり盛り上がって、「馬ってあんまり頭よくないッスよ ね」から始まった二人は、「馬はかなり足りない美人と同じで、見せびらかして連れ て歩くにはいいが、決してつき合いたくはない」「まったくその通りで馬には学習能 力がないから、餌付けできないんです」とか云いたい放題でした(勉強しました)。

 でもその植田さんも、「ここらの馬はリラックスしていて気性がいい」と云っ てました。また「初対面の人に会うと気を使ってとても疲れるのに、帯広の人にはそ れを感じない」とも云うので、それは国王の人柄もあると付け足しときました。乗馬 ヒーリングをやることになって40年続いたロイヤル乗馬倶楽部を閉じる身としては、 自分のヒーリングの方が必要なのかも知れないと感じました。

 今回は視察絡みだったのでほとんど自由な時間はなく、馬も触った程度、朝の 散歩を手伝っただけで残念でしたが、そのぶんランドスケープの高野さんとはエルパ ソの庭のデザインコンペ、
京屋の伊藤さんとは夏のツアーのステイとして旧白い家を草取り付きで貸して頂 くことを話したりしました。他にも写真家の伊藤さんの作品を見せて頂いたり、エル パソの大橋マネージャーには帯広生活のことなどきかせてもらいました。もちろん吉 田さんとはドングリ論争の実況中継を頂き、ガンさん達が山菜と白身魚のてんぷらを あげにきてくれたりといつものメンバーも総出演で歓迎してくれました。

 アサやんとは進駐軍時代から始まった日本のジャズ音楽のことを教えてもら い、ラッパ演奏の技術で流れるようなまん中のピストン遣いと、1-3番のピストンは 高低2音を使い分けて唄っているようで凄いと云ったら、また話が盛り上がって結局 飲んでしまいました。

 アラシにも会えたし、一昨年お邪魔してから、いつ伺ってもいつものように迎 えてくれるので
ほっとします。高野さんのお陰です。ありがとうございました。

 ツァーの日程は次の通り。

8月8日
08:20 伊丹発JL571→10:00 札幌着 
10:40 空港出発 専用中型バスで3日間移動(途中、自由昼食/夕食買出し)
15:00 帯広着(ポニーファーム打合せの為、訪問/リバティファーム周辺散策)
18:00 夕食準備後自炊または自由外食
     宿泊は、白い家(伊藤さん別荘)またはリバティーファーム

8月9日 周辺散策
09:00  自由朝食後、かんたんに清掃後出発
09:30 ポニーファーム着/各自自由に乗馬または牧場遊び(各自実費負担)
12:30 牧場にて自由昼食後、乗馬。希望者は周辺観光(中札内美術村/紫竹ガ ーデンなど)
16:00 ポニーファーム出発
16:30 北海道ホテル到着、ゆっくり温泉へ
18:00 ホテル出発
18:30 ランチョエルパソ着(市民との交流会を兼ねた夕食会)
20:00 アサやんジャズライブ&車椅子ダンスパーティ
22:00 終演(名物の自家製ソーセージはここで買っておくとよいです)
22:15 北海道ホテル着

8月10日 ホテルにて朝食
09:00 チェックアウト後、ホテル出発
13:30 小樽へ市内自由散策&昼食(旧市街区、裕次郎記念館など。マイカルに はエルパソ小樽店があります)
15:00 小樽出発
16:00 札幌市内到着後自由散策(希望がまとまれば海鮮市場へ)
17:00 札幌市内出発
18:00 空港着
18:40 千歳発JL578→20:30 伊丹着

乗馬ヒーリング、乗馬セラピーは、ようやく日本でも 欧米でインストラクターの訓練を受けた人が出てきて協会も設立されて本格的に始ま ろうとしていますが、これから飛躍的に伸びる分野だと思います。私も重度精神障害 の子供の乗馬セラピーを介助したことがありますが、普段はまったく無表情の子が、 馬に乗って歩き始めたとたんに顔をクシャクシャにして喜びを表現します。馬の体温 と適度な揺れ、馬の背の高さによる視野の広がり、歩くだけでも耳をかする風の感触 ……などが心地よいのかと想像されますが、とにかく馬の癒しの力は凄いと思いまし た。類い希な自然環境と独自の馬文化を持つ十勝がそういうセンターになればいいな と考えています。篠塚さんの活動全体については、コムスン・トラベル/アエルクラ ブへ(http://aelclub.net/)。