農と言える日本・通信 No.33  2000-08-04      高野 孟

●サウナを楽しむために[十勝牧場暮らしエンジョイ教本・その2]


 前号の「乗馬」特集に続き、またまた帯広に行かない方には余り関係ない話ですいません。しかし鴨川にも藤本国王のサウナ小屋があることだし、そうでなくても日本人はサウナ好きなので(何でも原産国フィンランドに次ぐサウナ愛好国民だという話です)、まあ無駄ではないと思いますので、お暇な方はお読み下さい。

■プライベート空間というぜいたく

 十勝のリバティ・ファームのわれわれの小屋の脇から坂を下って、馬の放牧場の端に立つ坂田明(ミジンコ博士&サックス名人)の小屋の先から右に折れて白樺林を抜けると、戸蔦別(とったべつ)川の清流に面してサウナ小屋がある。その川は一級河川で、岸辺は国有地だという噂も絶えないが、過去に何度も氾濫して川そのものが動いているので、本当のところは誰も分からない(ということにして、その問題には触れないことになっている)。

 いずれにせよ、そこは、リバティ・ファームを通らなければ近づけない場所だし、向こう岸は「十勝渓流塾」仲間の和田さんの広洋牧場の広大な敷地の南端で、まったく人が入ってくることのない林だから、そのあたり一帯が事実上、われわれのプライベート空間である。ぜいたくとはこのことである。

■まずは地ビールで小宴会

 更衣室の側にある焚き口に薪をくべて、6人ほど入れる大きさのサウナ室が十分に暖まるまで、夏でも30〜40分はかかるから、当然、小屋の前で、オーナーの平林英明さんのところの商売物である作りソーセージと地ビールで小宴会をしながら待つことになる。ドーッと音を立てて流れる川の迸りを眺めながら、梢を渡る微かな風を感じていると、それだけでもう心も体も緩んでき て、次第にサウナ・モードに入り込んでいく。

■川の流れで体を冷やす

 さあ、そろそろいいかな?という感じで、サウナ室のバケツに川の水を汲んで(冬は目の前の雪を詰めて)入る。フィンランドでは、ストーブの隣はホストであるご主人の席で、一緒に入った仲間やお客の様子を見ながらストーブの上の石に水を掛けて温度と湿度をコントロールする。

 普通は10分程度で上がって前の川で体を冷やす。夏でも水はかなり冷たいから、心臓に自信のない人はドボーンと飛び込むのはやめたほうがいい。足だけ浸けてゆっくり冷やす人もいるし、外気に当たるだけで十分という人もいる(冬はもちろん外気だけですぐに凍りついたようになる)。それから10分程度は横になったり、水分を補給したりしながら休む。それを最低2〜3セット繰り返す。

■時には鹿肉の網焼きも

 鹿討ち名人のガンちゃんが牧場に来ていると、自分で撃った最上の鹿肉を持ってきて、ナイフで切り裂きながら網焼きにしてくれることもある。ますますビールが進んで、飲み食いに夢中になってサウナを途中でやめてしまう人もいる。かと思うと、川の中の岩に素裸で座って、哲学的であるかどうか知らないが何やら思索に耽っている人もいる。そのようにして、まるでフィンランドの森の中で遊んでいるかに錯覚してしまいそうな場の午後がゆっくりと暮れていくのである。

■フィンランド流のサウナ術

 サウナの入り方など誰でも知っていることだが、本家本元の「フィンランド・ サウナ協会」ホームページ(http://www.sauna.fi/pages/index.h tm)に「お薦めの入り方」が書いてあるので訳出しておこう。

(1)十分に時間をとる。最低でも1時間半

(2)更衣室で衣服を脱ぐ。またサウナの後に着る着替えも用意しておく。尻に敷くための小タオルのようなものを持つ。

(3)サウナ室に入る前にシャワーを浴びるか水に浸かる。これは肌を濡らして体についた臭いを取り除き、サウナの中に余計なものを持ち込まないようにするためである。

(4)サウナ室に入る。1回目は、摂氏80〜90度がお薦めで、最大限100度まで。最初は空気が乾いているので、ストーブの上の石に水を投じて湿度を上げる。1回目では、まだ肌が十分に柔らかくなっていないので、枝束(注1)を使うことはお薦めしない。

(5)十分に暖まったと感じたらサウナ室を出て、シャワーを浴びるかプールに入るか、もしくは室温ないしは外気の中で静かに座るかして、体を冷やす。喉が乾いたら飲み物を飲むが、サウナではアルコールは避ける(注2)

(6)2回目にサウナ室に入る。サウナ室は1回目の時より湿度が高くなっているはずである。体が温まったら、枝束を使ってもよい。枝束は適度な湿度と温度で使うと心地よい。

(7)再び体を冷やす。暖まっては冷やすというサイクルを、自分で気持ちよく感じる限り何度でも繰り返してよい。普通、多くの人にとっては2回が適当である。好みに応じて枝束を使う。

(8)終わる前に、もう一度サウナ室に入って、短時間、体を暖め肌を柔らかくする。

(9)体を洗う。体を洗った後に、さらにもう一度、今度はもっと温度を下げたサウナ室にちょっとだけ入って体を温めてもよい。

(10)最後にシャワーを浴びるかプールに泳ぎに行く。

(11)タオルで体を拭くか、あるいはそのまま室温の中で座って、体を乾かす。横になってしばらく目を閉じていてもよい。

(12)リフレッシュできる飲み物を飲み、好みに応じて塩気のあるスナックを摂る。

(13)汗が収まるまで十分に時間をとって体が冷めてから着替えをする。また、サウナの後では体は普段より“感じやすく”なっているので、風邪を引かないよう気をつける。

(14)サウナ室と更衣室をきちんと整頓して後にする。

注1:フィンランドではサウナに入るときに白樺などの小枝を集めて束にして1人1人持って、それで体を叩いてサウナ効果を高める。この枝束をvihta(ヴィータ)もしくはvasta(ヴァスタ)と呼ぶ。
注2:十勝自然王国ではこのルールは適用されない。

■サウナのない家は家ではない

 フィンランドでは、サウナが付いていない家は「家」とは呼ばないというほど、たいていの人が自宅にサウナを持っている。私もフィンランドとそのすぐ対岸のエストニアを何度も訪れている間に経験したが、ホームパーティに招かれて誰かの家を訪ねると、「やあ、よくいらっしゃいました。まずサウナにどうぞ」と、玄関からそのまま地下のサウナ室に案内されて、普通はご主人も一緒に入って、お客のために温度と湿度の調節をしながら一渡り歓談する。人数が多いと、男女を分けることもあるが、少ないと混浴。パーティ前だと余り時間を掛けずに軽く1〜2ラウンドほど入ってシャワーを浴びて、上の応接間に汗を拭き拭き上がっていくと冷たいビールが待っている……というのが、ごく標準的なもてなし方である。

 別荘の場合は、十勝と同様、上の協会ルールは無視されて、暖炉の前でビールを飲みながら、気が向くとサウナに入って池に飛び込んで、また飲み直すといった具合に延々とサウナ・パーティが続くこともある。私がある時連れて行かれた、教会の持ち物だという数万坪の広大な森林の中の「癒しの里」といった施設の場合は、インストラクターと一緒に森を散策して「自分の気に入った木」を見つけて、その下で木と対話(撫でたり、抱きついたり、寄りかかって本を読んだり……)しながら半日を過ごして、それからサウナにゆっくり入って、最後に食堂でヴェジタリアン風の簡素な食事を頂いて帰るという“森林セラピー”のコース・メニューが設けられていた。

 そこで聞いた話では、ヴァスタで体を叩くのも、その枝から木の精が出て体を通ってサウナ室の木の壁に吸収されていくようにするためで、森林セラピーの一環なのだそうだ。「木の精が体を通り抜けていく」というのはまことに東洋的というかアミニズム的な(神々の国!)考え方で面白いと思った。もっともわれわれは、その教会施設であるサウナ小屋で、密かに持ち込んだビールを飲んでバーベキューで肉を焼いて大騒ぎをして、アルコールの精が体に充満したのだったが… …。

■サウナの歴史

 フィンランド式サウナは、北欧式サウナ(Nordic Sauna)とも呼ばれるが、世界のあちこちにある色々な種類の「スウェット・バス(汗風呂)」の一種である。ローマ帝国では皇帝ネロの時代に盛んに公衆浴場が建設されたが、これは最初に摂氏50度くらいの微温浴室(テピダリウム)に20分ほど入ってから、70度くらいの熱浴室(カルダリウム)に5分ほど入り、冷浴室(フリギダリウム)で体を冷やすという熱気浴スタイルだった。熱気浴は、乾燥した空気を熱して、蒸気を満たす場合に比べて体温をそれほど上昇させることなく効率的に発汗を起こさせるもので、鴨川の藤本さんのところはこの方式である。

 ロシアのは蒸気風呂で、40〜45度の蒸気が満ちた部屋で横になって5〜10分過 ごして体を慣らし、次に50度の蒸気風呂に30分ほど入って、水浴びするというもの。アラブ圏ではハンマームと呼ばれる銭湯があって、これが本来の「トルコ風呂」である。トルコがビザンチン帝国を占領したときにローマ風の共同浴場の形式を取り入れて、古代からあるオリエント式の蒸し風呂とミックスさせたと言われている。入ると脱衣所兼広間があり、番台に親方が座って取り仕切り、お茶や煙草のサービスがある(日本の銭湯もトルコ起源なのかな?)。客は番台で腰巻を受け取って身につけ、木のサンダルを履いて浴室(1階は大浴場、2階は個室)に入り、湯槽から立ち上る湯気で汗を出して垢を落とす。マッサージや体毛剃りをしてくれる三助さんがいる。これがどいういうわけか日本では、特殊なマッサージをしてくれる個室浴場の呼び名に転化して、しかしトルコ大使館の抗議でその国名を冠することを止めることになった。上海や台北やソウルでは、浴室に垢擦り係がいて、上がって寝椅子に横たわるとマッサージと爪切りの係が来てていねいに体の手入れをしてくれるが、これもトルコ風の名残かもしれない。
 
 日本では、風呂と言えば湯に浸かる温湯浴のことだと思われているが、実はそうなったのは江戸時代後期に都市文化の1つの形として銭湯が盛んになってからのことで、古代・中世はむしろ蒸し風呂が主流だった。天武天皇が壬申の乱で負った矢傷を癒した京都・八瀬の「竈(かま)風呂」は、荒壁で穴蔵のような竈(かまど)を作って青い松葉を焚き、その熱で塩水で湿らせた筵を暖めた上に体を横たえるという、密教的おまじない風な複雑なもので、薬効あらたかということで今も都の名所として残っている。そのような蒸気による蒸し風呂は、岩風呂、石風呂、砂風呂、穴風呂、釜風呂、塩風呂など、たいていは天然現象を利用したさまざまな様式のものが全国各地にあって、日本の温泉文化の一ジャンルをなしている。

 そういう中で、フィンランド式サウナの何よりの特徴は、熱した石に水を掛けて温度と湿度を上げるやり方である。その起源は2000年も前に遡ると言われ、最初は、極寒を防ぐために斜面に横穴を掘って作った狭い洞穴住居の中で、ストーブに石をくべて熱を高めることが行われ、そのうちに熱した石に水を掛けて蒸気を室内に満たすと、真冬でも汗をかくほどの室温を得られることが知られるようになったのが始まりだとされる。サウナという言葉の語源も、その洞穴住居をそう呼んだことにあるという説が有力である。

 やがてサウナは一戸建ての小屋になったが、長い間行われていたのはスモーク・サウナ(煙サウナ)で、煙突の付いていない石造りの暖炉でボンボン薪を燃やすと、煙は天井の小さな穴とドアのわずかな隙間から逃げるだけで室内に充満して温度を高め、やがてドアを開け放って煙を出し、真っ黒になったベンチを拭いてから座って暖まるという、ほとんど人間薫製法のようなものだった。

 現在のような煙突付きのストーブの上に石を乗せるという近代的な方法が登場したのはほんの100年ほど前のことである。さらに最近になって電気ストーブのサウナが作られ、ホテルやスポーツクラブ、集合住宅など薪を焚くことが出来ない場所でもサウナが楽しめるということで大いに普及しているが、フィンランド人に言わせれば、石がなくて、従ってそれに水を掛けることが出来ないのは、少なくともフィンランド式サウナとは無縁の別の何かである。

 ちなみに、あの石は「香花石」と言って、フィンランド全土で採取される独特のもので、欧米では単に「サウナ・ストン」と呼んでいる。水をかけて蒸気を立てると、陰イオンを発生させ、それが美容とくつろぎをもたらすと言われている。

  ローマ風呂から始まるヨーロッパの汗風呂や共同浴場の歴史は、15〜16世紀 に度々疫病が大流行して浴場が閉鎖されたため、ほとんど途絶えてしまった。フィンランド、その文化的兄弟であるエストニア、それに辺境の北部ロシアではそのようなことがなく、蒸気浴スタイルが今日まで続いた。それがサウナと言えばフィンランドということになった大きな理由である。

■サウナの効用

 サウナの効果は、要するにリラックスとリフレッシュで、それ以上に何の理屈が要るかという気もするが、「日本サウナ協会」ホームページ(http://www.sauna.or.jp/jsaannai.h tm)の「豆知識」を見ると、皮膚や皮下脂肪を洗浄して肌をきれいにする、発汗と気化熱によるカロリー消化で痩せる、血行をよくして血圧を下げ肩こりなど筋肉の緊張を和らげる、温度による刺激や酸素摂取の旺盛化で疲労回復・ストレス解消…… などいろいろ言われている。

「フィンランド・サウナ協会」となるともっと学問的で、会長のラッセ・ヴィーニッカ医学博士の研究論文が載っている。

 それによると、一番のポイントは、皮膚の温度が上がるのに対して内臓や筋肉の温度はそれほど上がらないために起きる血液の流れの変化である。20分間サウナに入っていると、皮膚の表面の温度は40度前後になるが、そのとき内臓、例えば直腸や食道の中の温度は平熱より少し高い37.5〜38.0度である。普段は、心臓が送り出す血液のうち5〜10%が皮膚に回っているだけなのに対し、サウナで皮膚の温度が上がると毛細血管が拡張して、心臓の血液送出量が2〜3倍になり、そのうち50〜70%が皮膚に集中する。その分、内臓や筋肉に回る血液は減少するが、体を急激に冷やすと毛細血管が収縮して血圧が上がり、内臓や筋肉への血液の流れが回復する。そのため、速歩き運動を続けたのと同じくらいの負担が心臓にかかるだけでなく、血流が体の外側と内側にかなり激しく振り替えられて、血行が活発になるのである。

 サウナに入って失われる水分は平均500グラム程度で、体重の1%以下である。汗に含まれる塩分は、血液に含まれる塩分より薄いので、サウナに入ることで血液中のナトリウムとカリウムの濃度はわずかながら増える。またヘモグロビンの濃度もわずかに上がる。しかしこれらを含めて、サウナによる水分の不足は相対的に小さなもので、水を2〜3杯飲めば簡単に埋め合わせられる程度にすぎない。

 サウナは内分泌システムにいろいろな影響を与える。多くの研究によると、サウナは、ノラドレナリン、プロラクチン、成長ホルモン、心臓ナトリウレティック・ペプチドの生成を刺激し(と言ってもほとんどが大きな英和辞典にも載っていない専門用語ばかりで何が何だか分からないのだが)、またレニン=アンジオテンシン=アルドステロン・システムを活性化する。副腎皮質刺激ホルモンやヒドロコチゾンの働きに目立った所見はなく、またアドレナリン、卵胞刺激ホルモン、問質細胞刺激ホルモン、テストステロン、甲状腺ホルモンに変化はないようである。こうしたサウナによるホルモン的な変化は、他の運動などで肉体的にストレスがかかった状態一般と類似している。

■健康に悪影響は?

 ではサウナが健康に有害な場合があるだろうか。

 博士によると、子供は、両親に不快感を訴えることの出来る年齢に達するまで はサウナに入れないほうがいい。しかし、実際には、フィンランドの子供の95%は2歳未満で初めてのサウナを体験している。それでも フィンランドの子供は世界で最も健康な部類に属している。

 いくつかの動物の場合、高温が先天性奇形の原因になることが認められるが、 フィンランドで行われた大がかりな調査では、妊婦のサウナ習慣と奇形との関連は見いだされなかった。フィンランドでは95%の妊婦が定期的に サウナに入るが、奇形児が出生する率は他国に比べて低い。

 薪を燃やすとサウナ室の暖められた空気の中に発ガン性物質が混じり、肺ガンになりやすいのではないかという説があったが、フィンランドの男性4475人を15年間にわたり追跡した調査の結果、そのような相関は認められなかった。またサウナによる心臓への負担が突然死の原因になるかどうかの調査では、むしろ、サウナ内で死ぬ人はサウナ外で死ぬ人より少ないことが分かった。これは、重病の人はサウナに入らないからに違いない。

 サウナによく入る人は流行性感冒にかかりにくい。ある調査では、6ヶ月間に渡り週に2回サウナに入る習慣を持つ人は、そうでない人に比べて流感に罹る率が30%低い。が、どうしてそうなのかはまだ解明されていない。

 博士の結論。フィンランド式サウナは多くの短期的な生理学的効果を持っているが、健康に対して恒常的な効果をもたらすことはない……。

 というわけで、少なくとも健康な人間にとってサウナが健康に悪影響を与える心配は皆無と考えて差し支えなく、むしろ、心と体の両方にとって楽しみとリラックスとリフレッシュを与えてくれるのである。サウナは皮膚の毛穴をきれいにし、筋肉の痛みを和らげ、安眠を促す。サウナの黄金律、つまり最重要のルールは「心地よさ」である。サウナに何回入るのも、どれだけ長く入っているのも、それが気持ちよく感じられる限りは、あなたの自由である。しかし初心者は、上述の「お薦めの入り方」に従ってある程度経験を積んでから、自分流の入り方を始めたほうがいい──とフィンランド・サウナ協会は忠告している。さらに同協会は、次の注意点を上げている。

▼心臓病、高血圧、ぜんそく、皮膚病などの病気を持っ ている人は、サウナの温度を摂氏90度以下にし、また急激な暖冷変化を避け る。

▼妊婦も同様で、70度以下のほうがよい。

▼高熱の人、炎症性の病気や傷がある人は絶対に入ってはならない。

▼伝染性の病気がある人は自分用のサウナにしか入ってはならない。

▼アルコールが抜けていない人は入るべきではない。サウナが二日酔いに効くという証拠は皆無である。

 ──では皆さん、リバティ・ファームで大いに飲んで、大いにサウナを楽しみましょう。酒を飲んでサウナに入った人は皆、早死にするというデータもなさそうですからね。▲