農と言える日本・通信 No.63  2002-11-03      高野 孟


子どものからだがおかしい!

──その4=ドイツに学ぶ子ども靴の選び方

 前号について読者からレスポンスがいろいろ。

■「以前ヒマラヤ登山をした女性の方(お名前は忘れた)の講演で、毎日の訓練の中で必ずやる事。それは足の指を手の指と同じに考え、机の下の雑巾とかを掴む。お風呂に入る時も指を手の感覚で閉じたり、開いたりする。そうする事で登山の時に大変力強い足の動きが出るそうです。山登りの最中も大地、岩、を指で掴む様に歩くのだそうです。私は銀座などで酔っ払った時思い出してアスファルトを掴む様にして転ばないようにして歩いて帰っております。日常大変役にたっております」(財団理事長のT女史より)

←今号の本文でも触れますが、足と靴の先進国ドイツでは、そのような足趾体操が幼稚園から必須になっていて、書店にも足の運動の絵入り教則本がたくさん並んでいるそうです。

■「足の話し、歩き方の話し、とても興味深く読みました。歩くことは前から好きで、調子に乗ると結構早足ですいすいと歩きます。からだ全体で両手を振り、腰をひねりながら大きな歩幅で歩くので、乗ってしまうとどこまでも行ってしまいそうに、本当にすいすいと歩けます。歩くのは、何時間でも苦になりません。東京の都心ではのろのろ歩く人に迷惑にならないよう、車道のすみを歩きますが。足のつぼだとかあまり意識してませんでしたが、これからは注意して見ます。靴の話も楽しみですが、わたしは10年前くらいから、5本趾の靴下を愛用してます。最初はもの珍しさだったのですが、靴のなかでも各々の趾がひとつひとつ別々に機能する感じで、踏ん張りも効きます。今では普通の靴下は履けなくなってしまい、日本に行く度に何ダースもま とめ買いして持ち帰ります。まだでしたら、ぜひ試して見てください」(豪州在住のRさんより)

←五本趾の靴下はいいですね。足の専門家でも勧める人が多いです。おっしゃるとお り、「靴のなかでも各々の趾がひとつひとつ別々に機能する」感覚を育てることができるし、ミズムシなどの予防にもいいようです。私も、中学から高校にかけて登山に懲りまくっていた頃はいつも履いていました。その頃は軍足の一種として一束いくらで売られていましたが、最近はビジネス・ソックスにもなるようなシャレたものも出ています。東急ハンズあたりで売っているのは、
・三宝商事「テンスター疲労快少サポーターGR」600円
(綿・ナイロン・スパンデックス混紡、SEKサキロン抗菌防臭加工、男性用24〜26センチ)
・オーハラアンドカンパニー「デオドラント・フィンガーソックス」1000円
(綿、マイナスイオン消臭加工、男女兼用22〜27センチ)
・全国冷え性研究所「天然シルク五本指靴下」1200円
(絹・ポリエステル混紡、絹による吸湿・通気・保温効果、男性用25〜27センチ)

 ちなみに私が最近気に入っているのは、厚手の高性能スポーツソックスで、足の締め付け方にハイテク設計を駆使したものや、シルバーを織り込んで抗菌性を高めたものとか、いろいろあります。一足1800円とかで高いですが、3足1000円の中国製なんぞに比べていくら酷使し洗濯を繰り返しても型くずれし たりゴムが伸びたりしにくく、5〜10倍くらい持ちますし、抗菌効果なども衰えませんから、結局はそう高くないということです。
・北アイルランドのブリッジデイル社「A.T.Leisure/TREKKING」1800円
(デュポン社の高性能防湿ファブリック素材、爪先・踵の衝撃吸収加工、足首・甲・土踏まずのサポート機能、男性用24.5〜26.5センチ)
・オンヨネ社「AG POSS 銀イオンソックス」1700円
(ポリエステル・綿ほか混紡、銀メッキ繊維混紡による抗菌効果、ウールパイルによる保温・クッション効果、男性用24〜26センチ)

■「歩くときの歩幅なんて考えたことがなかった。今度、測ってみようと思います」(ゴルフのシングル・プレーヤーであるMさん)

←ゴルファーは歩幅1ヤードで歩けるようにしないとまずいですよね。測るのは簡単で、歩道や駅の敷石はだいたい20センチ、30センチ、40センチ四方という具合に10センチ単位になっていて、JRや地下鉄の駅のホームの敷石と視覚障害者のための凸凹のついた黄色のレーンは、私の見た限りでは30センチの中型が多いです。30センチかどうかは見れば分かると思いますが、分からなければ靴を当ててみて普通の男性の靴の全長は30センチ弱ですから、それより10センチ強も長ければ40センチ角ということになります。で、電車を待つ間にそれとなく歩いてみて、30センチ3枚分なら約1ヤード、40センチ2枚分なら80センチと、だいたいの感じを掴めばいいわけです。オフィスの床材には45センチとかのものもあります。自分のオフィスのそれを測っておいて、トイレに行く時も廊下を一定の大股で闊歩するのがいいんじゃないでしょうか。

■「1ヤードが3フィートである理由を初めて知りましたが、日本で昔から“文”というのは何なんですかね。それから田んぼを測るのに“反歩”と言いますが、あれも歩幅と関係あるのかな」(栃木のSさん)

←調べたら、「ジャイアント馬場の16文キック」というときの“文”は、寛永通宝の一文銭の直径(約2.4センチ)で足袋などの長さを表したもので、16文だと38.4センチになります。“歩(ぶ)”は大股で縦横2歩(ほ)ずつの面積のことで、1歩(ほ)が3尺、2歩で6尺、6尺四方ということは坪と同じ。2ヤード四方ですね。1反歩(たんぶ)は300歩=300坪になります。

 あ、それから前号で丹田呼吸法のことに触れましたが、いま東京駅前の八重洲ブックセンター4階のエレベーター前で呼吸法に関連する本の特集コーナー(本棚1つ分)が設けられています(いつまでかは不明)。ご関心ある方はどうぞ。

 さて、靴の話です。

●先進国ドイツの靴事情

 『歩くこと・足そして靴』(風濤社、1995年)の著者=清水昌一さんは、前号登場の鈴木裕一郎さんと同じく靴屋さんの跡継ぎで、最初はイタリアに勉強に行ってファッショナブルな靴を次々に企画して大いに商売を伸ばしたものの、そのうちファッションのためだけに靴作りを続けるのが空しくなって、80年代のフィットネス・健康ブームの中で「これからは人々の健康を考えた機能性を重視した靴を手掛けるべきだ」と一念発起、靴と足の文化の世界最先端を行くドイツに学んで「足と靴の科学研究所」を設立した人物です。彼が語るドイツ靴事情を聞くと、日本の余りの後進性に愕然とします。

 職人を大事にするこの国に「靴マイスター」がいるのは当然ですが、それとは別に「整形外科靴マイスター(オートペディーシューマイスター)」の国家試験をパスした専門職が6000人もいます。整形外科医と協力して足の病に悩む人のために靴を作ったり足底板(中敷き)を加工・調整したりするわけですが、この資格を得ようと思えば、まずマイスターの見習いとなって現場を経験しながら週に1回ずつ3年半、専門学校に通い、試験に合格して「整形外科靴技術者(シューテクニカー)」となり、さらに4年間、職人として働きながら専門学校で勉強し、それを卒業すると今度は9ヶ月間、全国に2校ある全日制の上級専門学校に入って生理学や解剖学などの専門知識を身につける。それで初めて国家試験の受験資格を得るという難事業。だからこそマイスターとして世の中から尊敬されるのでしょうが、それにしても最短でも8年3カ月かかるのですから生半可ではありません。

 日本には「義肢装具士」があり、全国に5つある専門学校で3年間学んでこの国家資格を得た人が2000人ほどいますが、これはあくまで義肢で、一般の人の靴選びにその知識が活かされることはほとんどありません。それに対してドイツでは、「98%の子どもは健康な足で生まれる。60%のおとなは足に障害を持っている」という考えが行き渡っていて、健常者でも足が痛いとかタコ・ウオノメが出来たというだけで気軽に整形外科医や整形外科靴マイスターを訪れて、治療やリハビリの指導を受け、ドラブルを回避するような靴を調整してもらうのだと言います。

 例えば、ドイツのある田舎町には5階建てのビルがあって、1階=靴店、2階=整形外科靴マイスターの工房、3階=整形外科医のクリニック、4階=リハビリ室、5階=保険屋と、足の健康に必要な専門家が全部揃っています。ここを訪れる人の6割は健常者で、足が痛いとか靴が合わないとかの悩みをまず外科医に相談して処方箋を貰い、下のマイスターの工房で適切な靴と中敷などの補正器具を調整して貰い、それらについてもう一度外科医のチェックを受けた上で1階の靴屋に行って靴を誂えて補正器具を装着する。靴屋はそれらについて請求書を作り、それを持って5階の保険屋に行って還付の手続をとる(これらの靴や補正器具は保険の対象なので、例えば靴は一律1万5000円だけ自己負担で残りは後で戻ってくる)。また指示があれば4階でリハビリの指導を受ける。そして1階に戻って靴を受け取って帰る……のだそうです。

 なお、日本でこれにやや近い施設は、清水さんが主宰する「足と靴の科学研究所」の名古屋と東京の本部だけ。浅草にある東京本部の場合、1階=靴屋、2階=相談部、3階=フットケアとなっていて、まず2階で足の診断と処方を受けて(相談料=2時間1万円)、1階で適当な靴と中敷などの補正を施して貰って購入し(オリジナルの健康靴=1万3800円から、補正料=1カ所1足4000円から)、さらに希望すればフットケア(足首下5000円から)を受けることも可能。私も一度試しに行ってこようかと思っています(ホームページhttp://www.ashi-kutu-soudan.co.jp/)。

 それから、義肢装具士によるアドバイスを一般人の靴選びに導入している靴屋さんは、ウェブで調べた限りでは名古屋市昭和区の「コンフォート・アイ」だけのようです(ホームペーhttp://www.comfort-ai.co.jp/)。

 また靴業界では87年からシューフィッターの養成を始め、「足と靴健康協議会」や「日本靴小売商連盟」でそれぞれ簡単な講座と通信教育を受けると初級の認定を出していて、足と靴健康協議会のホームページ(http://www.fha.gr.jp/)で「あなたの街のシューフィッター」(のいる靴屋さん)を検索することが出来ます。協議会のほうの有資格者は昨年末で2242人でほとんどが初級。上級の“マイスター”は17人しかいません。しかしいずれにせよ国家資格ではないし、教習内容もドイツとは比べものになりません。

●子どもには紐付き革靴を

 ドイツでは、子どもの足、靴、歩き方についての親、教師、医師などの考え方も徹底しています。ドイツの産科医は、赤ちゃんの出生時に何よりもまず足をチェックし、異常がないとホッとするのだと言います。そしてその後、小学校に上がる6歳までに10回の足の検診が国によって義務づけられていて、特に踵骨が外側や内側に反っていないかを調べ、ちょっとでも異常があればすぐに整形外科医、整形外科靴マイスター、靴屋の三者一体となって踵の硬いハイカットの靴を履かせたり、補正器具を装着させたりして矯正します。人間の骨格はだいたい5〜6歳で基本的に決まってしまうので、神経質なほど気を配るのです。気をつけるべきポイントはいろいろあります。

(1)赤ちゃんのうつぶせ寝に気をつける──まだ寝返りが出来ない赤ちゃんをうつぶせ寝で眠らせる場合、たいていは顔を右に向けるので、左足が内反し右足が外反しやすい。顔とからだの向きを変えてやるようにしなければなりません。

(2)歩行器に入れて早く歩かせようとしない──早く歩かせようとして生後5〜6カ月で歩行器に入れる親がいますが、まだ柔らかすぎる足に体重がかかって踵が外反したり扁平足になったりします。赤ちゃんが自分の力で歩き始めるのを待つのが賢明です。

(3)アーチの形成をチェックする──ドイツのように足の検診のシステムが日本にはないので、親が意識して5〜6歳までに足のアーチがちゃんと形成されているかどうかチェックしなければなりません。

(4)普段から足の運動をさせる──足の変形を防ぐためにも、アーチの形成が遅い場合にそれを促すためにも、普段から足の運動をさせることが必要です。ドイツでは、足の趾を開いたり閉じたり、足裏を床につけて前後に這わせたり、足趾でロープや鉛筆を掴んだりする運動のための絵入り教則本がいろいろ出ていて書店に並んでいるし、そのような運動が幼稚園の遊びにも取り入れられています。日本では親がやらせる以外に方法がありません。

(5)裸足で遊ばせる──理想の靴は実は裸足であるとよく言われます。それはそうで、人類は2本足で歩き始めてから最近までのほとんどの期間、靴などという窮屈なものを履いていなかったのですからね。家の中ではもちろん、外でも、芝生の上で駆け回らせたり、泥んこ遊びをさせたり、木登りをさせたりして、足の裏の感覚を鍛えなければなりません。これは幼児が“人間”になっていく重要なプロセスと考えるべきでしょう。

(6)歩き方を教える──歩き方についてもドイツの親の関心は高く、背筋を伸ばし、頭を上げ、大股で踵から着地する堂々颯爽たる歩き方をするよう幼い頃から指導します。日本では、子どもたちに唯一教え込まれる歩き方は、運動会などでの入退場の“行進”で、これは腕を振って腿を直角近くまで高く上げて「イッチ、ニー」と歩くので、前足部が先に着地したり、そうでなくとも足の裏がペタンと前後同時に着地したりしてしまい(つまり短距離を走るときのような動きをゆっくりやっている)、脚を振り出して踵から着地して体重が前にローリング(煽り運動)していくという正しい歩き方を覚えることを阻害します。子どもが筋肉の衰えた老人のようにしか歩けず、躓きやすい一因がここにあります。イギリスの小学校でも、ビデオなどを使った正しい歩き方や足の健康、靴についての教育を行っていますが、日本ではまったくないので、親がするしかないです。

(7)踵の硬い紐付きの革靴を履かせる──日本では、親自身が足と靴について関心がなく、自分の靴も、見てくれやデザインだけで判断して後はサイズを合わせるだけで選ぶのがほとんどですから、子どもの靴についてもその延長で、人気キャラクターか何かが付いていると「あら、これかわいいわねえ」とか言って何も考えずに買い与えているのが実状です。ドイツでは、親も靴屋の店員も特に子どもの靴選びには真剣で、まずフットプリント(足型)を採って足のアーチがきちんと形成されているかを調べ、問題があれば適切な足底板を装着し、さらに足長と足幅を測定器で測って、長さだけでなく(3ミリ刻み!)幅も合わせて(子ども靴は広い・普通・狭いの3種類ある)徹底的にフィッティングします。靴のタイプは紐付きで踵の硬い、踝まで達するハイカットのブーツが主流で、少なくとも4歳くらいまでは短靴はもちろん、柔らかいスリップオンのような靴は履かせないのが常識です。ドイツに住む日本人の親が「こちらには日本のように簡単に履いたり脱いだり出来る安い靴がないので困ります」と嘆いているという話がありますが、困るのはこういう親であって、踵の骨が成長して形が出来てくる5〜6歳までは、踵をしっかりと支え、汗を吸ってくれる革でていねいに作られた、しかも紐で足のむくみなどに対応して締まり具合を調整できるような靴を与える責任があります。

(8)学校の“室内履き”に注意──小学校や中学校で履かされる“室内履き”は問題です。「まだ完全に骨格が形成されていない子どもたちが、それぞれの足の特徴を無視した通りいっぺんの室内履きを強制的に履かされていることへの怒り。踵のない室内履きを履けば、どうしても歩き方はペタンペタンと変なものになる。あれならまだ裸足のほうが数倍マシだ」(清水)。自宅のスリッパも同様。もちろんドイツはじめ欧米では、ずっと靴を履いているからこういう問題は起こりえません。PTAがもっと関心を持って、妙な室内履きを止めさせる運動をする必要があるでしょう。

(9)スポーツシューズもよく吟味して──小学生くらいから運動靴、スポーツシューズを履く子どもが多いのは当然ですが、これも足の発達を考えながら選ばなくてはなりません。ドイツでさえも子どもばかりでなく成人も含めたスポーツシューズの流行による足の変形が大きな問題になっていて、その原因は、多くのスポーツシューズが前足部が狭くて外反母趾になりやすかったり、主に見てくれのために底の土踏まずの部分が切れ込んでいて安定を欠いたりしていることにあります。特にマズイのは、ジョギング用のシューズを普段から履くことです。

●走ると歩くは目的が違う

 アシックスのホームページ(http://www.asics.co.jp/)の「フィットネス・ウォーキング」の項には、ランニングとウォーキングの違いについて次のように整理し、「 よく考えたいのは、動作としてこれだけ違いのある運動を、同じシューズで賄えるだろうかという点です。もちろんランニングシューズで歩けないことはありませんし、その逆も言えます。しかし『最適か?』という観点でみると、それぞれに足を守る機能、動きを助ける機能があるべきだと考えます」と説明しています。

        ランニング    ウォーキング
スピード    速い       遅い
接地時の衝撃  体重の3〜4倍  体重の1〜1.5倍
接地時間    約0.2秒      約0.6秒
目標への直進性 高い       低い
安定性     横ブレしにくい  横ブレしやすい
動作の違い1  両足とも接地   両足とも接地
        しない瞬間がある する瞬間がある
動作の違い2  足指をあまり   足指をよく使う
        使わない
動作の違い3  足裏の接地面積が 足裏の接地面積が
        小さい      大きい
主に使う脚筋肉 脚の後ろ側と   脚の前側と
        太もも前部    ふくらはぎ

 走ると歩くでは機能が違うので、例えばジョギングシューズでは、接地の際の踵の衝撃を和らげて長時間走れるよう工夫していますが、それが正しい歩き方を身につけるにはかえって不適切であるとか、接地時間が短く足趾もあまり使わないので前足部が細身に出来ているので、普段履いていると外反母趾を起こしやすいとか、土踏まずアーチをサポートするようになっているが、その位置が前すぎるなど、個人差を無視しているとか、いろいろ問題があります。この機能の違いも知らずに、いい加減に買い与えるのはやめたいものです。これは大人の場合も同じことです。

 前出の『決定版/ウォーキング・マニュアル』も、歩く靴と走る靴の違いについて指摘しています。

(1)ジョギングで踵から着地したとたんに踏み替えす“スタンピング”と、歩くときに踵から爪先に体重が転がるように移っていく“ローリング”とは、足の運動のメカニズムが違う。

(2)ジョギングでは着地の衝撃を吸収するため踵にクッションを効かせてあるが、歩くときはそれほど衝撃が加わらないのでさほどクッションは必要ない。逆にクッションが効きすぎる靴で歩くと、踵の安定感がないため足先の方向性が定まらず、疲労しやすい。

(3)地面を踏みしめているときは、足が宙に浮いているときに比べて足幅が1センチも広い。ジョギングでは足が宙に浮いている時間が長く、また着地のときに足が靴の中で動かないようにするために幅を狭目にするが、それで長く歩くと疲れたり足が痛んだりする。

(4)ジョギングでは全体に柔らかく、軽い靴がいいが、歩くには前足部の屈折部分だけが柔らかく他はしっかりして、重さもある程度(400グラム前後)あったほうが脚を前へ振り出すのに都合がいい……。

 靴の話はまだ続きます。▲